■最大の難関

実は、英検1級の試験で最大の難関が英作文であり、ここの出来、不出来が合否を左右します。

配点も28/113点で、25%を占めます。

多くの生徒の成績通知を見てきましたが、英作文の不出来が不合格につながっているケースが多いのです。

実は、ここだけが、採点者の主観が入り、点数の基準がよくわからない箇所です。

採点基準は当然あると思うのですが、私の経験では、充分書けなかったと悔やんでいるのに高得点だったり

自信作なのに期待値を大きく下回ったりして、よくわからない部分です。

学校に来る人が一番勉強したがっているのも、実はここです。私は、生徒からメールの本文、

もしくは添付ファイルの形で作品を送ってもらい、丁寧な添削(文章構成、スタイル、論旨、

英語表現)をして、即日返送しています。指導していて生徒の反応が一番大きいのがこの英作文です。

そういえば、私もそうでした。2000年に通訳ガイド試験を受けたときに専門学校に行ったのですが、

主たる目的は英作文の強化でした。

■指示文をよく読み、従うこと

英作文問題は、書き方について明確に指示してあるので、その内容に沿って書かなければなりません。

英作文の採点基準は明らにされていないのですが、常識的には、指示に従わない作文は、

内容がどんなに立派であっても減点になると考えるべきでしょう

<指示事項1>−POINTS−論旨の展開

Write an essay on the given TOPIC covering three of the POINTS below.

POINTSが6個用意されているので、その中から3個選び、論旨を展開することが必要です。

3個以上使っても大丈夫かとの質問をよく受けるのですが、基本的に問題ないと見ています。

下記に述べるように、First Second Thirdのパラグラフに1個ずつ使い、

In conclusionのパラグラフにもう1個使うなどの方法もあります。

このPOINTSは、考えようによっては、受験生にとって親切です。

こんな論旨で書けといっているようなものです。もしPOINTSが無かったとしたら、

自分で全部考えなければならないので大変です。英検は、POINTSを6個提供することで、

受験生が書きそうな論旨を先回りして用意してくれていると言ってもいいでしょう。

<指示事項2>−Space−書く分量@

Use the space provided on your answer sheet

<指示事項3>−Length −書く分量A

Around 200 words

<指示事項2>と<指示事項3>は重なるので、まとめて書きます。

試験会場で配られる解答用紙には罫線が引かれています。

手書きで読みやすい文章を書くには、せいぜい一行に10ワードくらいですが、

書くスペースが21行あるので、これに従えば、自然と、around 200ワード書くことになります。

沢山書けば、その努力が認められて高い点数がもらえるわけではありません。

そう勘違いして、解答用紙の裏側も使って書く人が居ますが、

二つの点で大きなリスクを抱えることになります。

リスク@ 指示事項違反で減点されるリスク。

指示文に従わない解答は基本的に無効です。例えば、ブロック体で書けと指示してあるのに

筆記体で書いたら零点をもらっても文句を言えません。それと同じです。厳しい採点者なら、

どんなにできが良くても大きく減点するでしょう。私が採点者でもそうするでしょう。

350ワード近く書いて、ほぼ満点をもらった人が居ると聞きました。

これは、例外と考えるべきでしょう。わざわざ指示事項を出しておきながら、

それに反する行為をとった受験者に高得点を与えるやり方は納得できません。

世間に、英検の採点は甘いという、間違った情報が流布されることを懸念します。

リスクA:時間不足で読解問題ができなくなる。

もうひとつのリスクは、時間です。そんなに書いたら、最低でも45分以上かかるので、

時間不足となって読解も壊滅状態という惨めな結果に陥ります。結局合格できないということです。

つまり、around 200ワードを守るべきです。試験時間もその英作文の分量で設定されていると

考えるべきです。

200ワードに足らなくてもいいのかという質問を受けることがあります。Around 200ワードですから

常識的には190-210ワードくらいが理想でしょう。150ワードではどうでしょうか?

これは、減点されると考えるべきでしょう。他の問題に足をとられて書く時間が足らなかったか、

書く力が充分無かったから書けなかったと見られても仕方ありません。それに、

何よりも、150ワードでは、指示事項に沿った論理的な文章を書くことは困難です。

因みに。このワード数は、単語の数であり、コンマやピリオドは含みません。

<指示事項3>−Structure−文章構成、スタイル

Three or more paragraphs, including an introduction and conclusion

イントロ→First→Second→Third→In conclusion(=Finally, Lastly)の形で書くのが鉄則です。

この形で書かれた作文は圧倒的に読みやすいですし、英検が出している模範例文も

基本的にそうなっています。

最近のTOPICから:

2007-3

TOPIC - Do the world’s wilderness areas need to be better protected?

POINTS - Biodiversity, Ecotourism, Rights of indigenous peoples, Population growth

Economic development, International cooperation

2007-2

TOPIC - Should more be done to eliminate world hunger?

POINTS - Climate change, Genetically modified food, Fair trade, International aid,

Transfer of technology, War

2007-1

TOPIC - Has modern society become too dependent on technology?

POINTS - Interpersonal communication, Traditional skills and crafts, Leisure activities,

Health and medicine, Workplace efficiency, Environmental issues

上記は、いずれも、受験生の考え方を聞く質問です。

ですから、あなたの作文は下記のように書くべきです。

私は、本件(TOPIC)について、下記3つの理由で賛成です(そう思います)。

賛成理由1(TOPICから1個)、賛成理由2(TOPICから1個)、賛成理由3(TOPICから1個)、

In conclusionの構成で書いていきます、もしくは

私は、本件(TOPIC)について、下記3つの理由で反対です(そうは思いません)

反対理由1(TOPICから1個)、反対理由2(TOPICから1個)、反対理由3(TOPICから1個)、

In conclusionの構成で書いていきます、

この他に、賛成とか反対では書きにくいときは、下記の方法もあります

私は、本件(TOPIC)について、下記3つのような意見をもっています(賛否は答えない)

意見 1(TOPICから1個)、意見2(TOPICから1個)、意見3(TOPICから1個)、

In conclusionの構成で書いていきます

ここで気をつけることがあります。賛成理由、反対理由、

意見の1個についてPOINTを1個対応させるということです。

また、イントロで言っていることと、次の論旨に出てくることが論理的につながっている

必要があります。つまり、イントロで、「次の3つの理由で反対です」と言っているのに、

次に来る論旨1や論旨2がその理由として適当ではないというケースが多々見られます。

文字数の配分は、イントロ:30、論旨1:50、論旨2:50、論旨3:50、結論:20〜30くらいが目安です。

論旨=賛成理由、反対理由、意見

いずれにしても、自分で考えて書き、添削を受けてブラッシュアップするという

地道な作業を積み重ねていくしか方法がありません。

英検が出している模範例文は立派過ぎて、30分の制限字時間内であんなもの書けるものではありません。

生徒の作品の中で、相対的によくできたものを紹介しますので参考にしてください。

細部にこだわれば、修正すべき箇所はまだありますが、このレベルで書けば充分だと私は判断しています。

採点者の主観にもよりますが、20-24点(28点満点)はもらえると思います。

・Write an essay using 3 points from the following 6 POINTS

・TOPICS: Has modern society become too dependent on technology?

・Around 200 words

POINTS:

・Interpersonal communication ・Health and medicine

・Traditional skills and crafts ・ Leisure activities

・Workplace efficiency ・ Environmental issues

TOPIC:

Has modern society become too dependent on technology?

I agree that our world is surrounded by technology.

And this situation seems to make us less human.

I’d like to discuss the bad influence of technology as follows.

First, more and more people use mobile phones.

Among younger people, they tend to communicate by exchanging text mails

instead of talking directly or through phone. As a result,

interpersonal communication has dwindled.

Secondly, a lot of children enjoy video games and the internet today.

We can not see many children playing outside.

Such leisure activities have been changed by the development of technology.

In fact, today it is controversial that more and more children’s

lives have become unhealthy.

Thirdly, the development of technology makes traditional

skills and crafts expensive because of mass produced the state of the art.

In the end, handicrafts have become scarce. For example,

there aren’t so many umbrellas made by hand nowadays.

Instead, people buy cheaper factory produced ones.

At last, they are easily broken and thrown away.

Those points are negative concerning technology world.

I think it is necessary our world pursues more convenient life with technology.

I believe however, human life should be hearty with relationship between

people in the first place.

Today, it is pitiful that technology induces the lack of human relationship.

・211ワードで、分量は理想的です。パラグラフごとの配分も理想的です

・イントロ、First Second Third Conclusionの構成で論理立てて書いてあり、

とても読みやすく、わかりやすいです

・First Second Third の中に1個ずつ指定のPOINTが使われており、指示事項に沿っています

・簡単な表現を使って、気張ることなく、無理のない、読みやすい文章です。

格調高いといった文章ではありませんが、問題文の指示事項に忠実に沿っています